安全日とは?生セックスの妊娠確率や妊娠しにくい日の計算方法を解説

安全日という言葉を聞くと「妊娠しない時期」というイメージを持つ人は多いでしょう。

しかし、安全日はけっして「避妊しなくても妊娠しない日」などではありません。

中出しや外出しの妊娠確率を知って、安全日に生セックスをするリスクを知りましょう

この記事では妊娠確率のメカニズムや安全日・危険日の調べ方を紹介します。

 

安全日とは?妊娠しにくい日なんてあるの?

 

「安全日は生でセックスしても妊娠しない」という噂を聞いたことがある女性は多いでしょう。

同じようにセックスをしていても妊娠しないタイミングがあるなんて不思議ですよね。

では、安全日は妊娠しないといわれるようになったのは一体何故なのでしょうか。

ここではまず女性の身体や安全日・危険日について学び、避妊についての認識を改めましょう。

 

「安全日は妊娠しない」は間違い

 

結論からいうと「安全日は妊娠しない」というのは誤った認識です。

確かに安全日と呼ばれる期間は、他の期間に比べると精子が卵子に着床する確率は低くなります

しかし、避妊を怠ったり中出しをしたりすれば、赤ちゃんを授かる可能性は十分にあるのです

生でするセックスはパートナーとの愛を確かめ合う行為であると同時に、子供ができた際はひとりの親としての責任が伴います。

望まない妊娠は自分自身や彼氏だけでなく、生まれてくる子供のことも不幸にしてしまうでしょう。

そういった事態を避けるためにも「安全日だから」と油断せず、常に正しい避妊をしてセックスをしましょう。

 

生理周期と排卵のメカニズム

 

そもそも、なぜ「安全日は妊娠しない」という誤った情報が広まったのでしょうか。

その理由は、女性の生理周期と排卵のメカニズムによるものです。

女性の生理周期は月経期・卵胞期・排卵期・黄体期という4段階が繰り返されています。

この内で、卵子が精子を受け入れる準備ができる期間が「排卵期」です。

排卵期になると成熟した卵子が卵胞から飛び出して精子を迎え入れるのですが、着床できるのは排卵日前後の数日という短い時間だけ

この期間を過ぎると身体は黄体期に移行し、着床の確率がぐっと下がります。

卵子の授精機能が失われる黄体期は極端に妊娠しにくいことから、避妊の観点で「安全日」と呼ばれるようになったのです

 

排卵はズレることもある

 

この周期上の話でいえば、授精機能が失われた黄体期は「妊娠しない期間」です。

しかし、女性の身体はとてもデリケートなため、ちょっとしたストレスで生理周期が変化し排卵日も変わります。

また、生理期や卵胞期はそのときの体調によって切り替わるタイミングが流動的です。

排卵日が数日遅れれば、その分黄体期も後ろにずれ込むため「安全日だと思っていたのに、むしろ一番妊娠しやすいタイミングだった」ということにもなり得るのです。

 

妊娠しやすい「危険日」もある

 

生理周期の中には、妊娠しやすい日というのも存在します。

いわゆる「危険日」と呼ばれる期間は、排卵日周辺数日の間です。

この期間中は卵子が精子を迎え入れる準備を整えているため、他の日よりも着床の確率が高くなります

妊娠確率を下げたいのであれば、排卵日にはセックス自体をお休みしてゆっくり過ごしてくださいね。

また、避妊目的ではなく妊活をしている女性などは、あえて危険日にセックスすることで計画的に妊娠するということができるでしょう。

生理周期というのは望まない妊娠を避けるときだけでなく、赤ちゃんを作るときにも活用できるため、日頃から記録しておくことをおすすめします。

 

安全日と危険日の妊娠確率の差

 

では、安全日と危険日の妊娠確率の差はどの程度あるのでしょうか。

確率として生セックスで1%でも妊娠の可能性がある場合、自分の立場と子供ができたときのリスクに対してしっかり向き合っておかなければなりません。

 

安全日の妊娠確率は約5%

 

オックスフォード大学によるデータでは、安全日に避妊せず中出ししたときの妊娠確率は5%以下となっています。

確実に黄体期で卵子がない場合、精子が着床する相手がいないということになるためこの確率になるのも頷けますね。

この確率は年代を問わずほぼ変わりません

安全日というものは厳密には存在しませんが、黄体期に避妊して性行為を行えばより妊娠のリスクを避けられると覚えておきましょう。

 

危険日の妊娠確率は30〜50%

 

同データでは、危険日の妊娠確率についても触れられています。

妊娠確率は排卵日の4日前から急上昇し、2日前に最も妊娠しやすいピークを迎えます

その後、排卵日の前日〜翌日にかけて再び緩やかに低下し、その後黄体期に突入します。

データを見ると、危険日というのは排卵日当日だけでなく4、5日前から翌日の期間を指していることがわかりますね。

参考元:OXFORD ACADEMIC「Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle

 

外に出しても20%は妊娠の確率がある

 

避妊をせず挿入し、射精の瞬間だけペニスを抜く「外出し」は妊娠のリスクを下げる行為ではありません

WHOの調査によると、外出し射精したときの妊娠確率は正しい避妊をしたときと比べて22%にも及びます。

しかし、外出しに対して「避妊できている」と勘違いしている男女はいまだに多く存在します。

日本産婦人科学会が行ったアンケートでは、10代で人工中絶を受けた女性の約24%が「外出しで避妊できたと思っていた」という回答を挙げているほどなのです。

望まない妊娠は心身に深い傷を残すため、外出しに避妊効果がないことをしっかり理解して正しい避妊方法を利用してくださいね。

参考元:WHO「Selected practice recommendations for contraceptive use
参考元:日本産婦人科学会「10代の人工妊娠中絶についてのアンケート

 

安全日を計算や体温で調べる方法

 

安全日が必ずしも妊娠しないわけではないということは分りましたが、妊娠しにくい日を把握しておきたいという女性もいるでしょう。

おおよその目安を計算するには、卵子が成熟する排卵日の時期を知らなければなりません。

排卵日の調べ方は計算式を当てはめる方法と基礎体温をつける方法の2種類があるので、それぞれのやり方を紹介します。

 

排卵日を計算すると安全日が分かりやすい

 

妊娠しにくい期間を知るには、まず自分の排卵予定日を計算しましょう。

生理周期が安定している人は「オギノ式」という計算方法で排卵日を予測できます。

オギノ式では、生理の14日後に排卵が起きると考えるため「生理周期-14日」という計算式を当てはめましょう。

例えば生理周期が28日の人は14を引いた14日が排卵日までの期間です。

8月1日に生理が来たとしたら、その14日後の8月15日が排卵日と仮定できます。

排卵日付近1〜2日後はまだ妊娠の可能性があるため、数日空けた8月17日以降が安全日となるのです。

 

基礎体温を記録すると把握しやすい

 

基礎体温の上昇でも排卵日の把握が可能です。

女性の体温は低温期と高温期に分かれていて、生理終了時からは約2週間低温期が続きます。

その後、排卵日に一度体温が下がり黄体期に入ると高温期に切り替わるのです。

毎日基礎体温をつけていれば「高温期に入ったから妊娠しにくい」といった判断の目安にできますよ。

ちなみに基礎体温は朝起きた直後、なるべく動かない状態で測定します。

記録するときは枕元に基礎体温計を用意して、すぐに測れるようにしておきましょう。

 

生理記録アプリを活用しよう

 

生理周期や基礎体温の記録にはスマホアプリの利用がとても便利です。

体温や生理日を登録していくだけで、カレンダーやグラフ形式で安全日や危険日を予測してくれるため、ぜひ活用しましょう。

スマホが手元にあれば簡単に記録できるので、三日坊主になりがちな女性でも続けやすいですよ。

 

生理後の安全日で妊娠確率を下げる方法はある?

 

安全日は妊娠の確率が低い時期ですが、より妊娠のリスクを下げたいのであれば避妊方法を知っておきましょう。

避妊は比較的メジャーなコンドームの使用だけでなく、いろいろな方法があります。

それぞれの特徴や避妊成功率を紹介するので、自分に合った方法を探してください。

参考元:MSDマニュアルプロフェッショナル版「一般的な避妊法の比較

 

コンドームを正しく使用する

 

最も一般的な避妊方法といえばコンドームです。

コンドームは男性のペニスに被せて使うシリコンやゴムでできた避妊具で、精子が膣内に侵入するのを防いでくれます。

薬局やコンビニで手軽に購入でき、医師の処方箋なども必要ないため急な性行為のときにも安心ですね。

正しく使用すれば避妊成功率が98%ととても高く性感染症の予防にもなります。

ただし、使い方を誤ると避妊成功率が82%まで下がってしまうので女性側も使い方をしっかり覚えておきましょう。

 

低用量ピルを服用する

 

低容量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンという女性ホルモンが含まれた内服薬です。

女性ホルモンを摂取することで体内のホルモン変動を抑え、排卵を起こさないようにする作用があります。

それ以外にも子宮内膜の増殖を抑えたり、子宮頸管の粘度を高め精子の侵入を防いだりする効果もあるため、正しく服用すれば99.7%ととても高い避妊効果を得られるのです。

低容量ピルは避妊だけではなくPMSや肌荒れ、子宮内膜症の改善などでも活用されています。

医師の処方が必要なので、まずは婦人科に相談してみましょう。

 

子宮内避妊器具を装着する

 

子宮内避妊器具は、女性主体の避妊方法です。

子宮内部にプラスチック製の器具を埋め込むことで受精を妨げる効果があります。

IUDとIUSという2種類の器具があり、IUDの装着初年度の避妊成功率は99.5%IUSはそれよりも高い99.9%です。

器具の挿入には医師の診察を受け挿入処理を行う必要があり、装着している間は安定して避妊効果が得られます。

 

避妊失敗したらアフターピルを飲む

 

万が一避妊に失敗してしまったらアフターピルを服用しましょう。

アフターピルとは性行為後に飲むことで妊娠を防げる緊急避妊薬で、72時間以内に服用すれば避妊率は約97%以上となります。

120時間までは服用可能ですが、時間が経てば経つほど避妊効果が下がるため、なるべく早く飲む必要があります。

ただし、アフターピルは副作用が強く出やすいというデメリットがあります。

個人差はありますが、頭痛や眠気、吐き気などが最長24時間程度続くため、その間はできるだけ安静にしてくださいね。

 

【まとめ】安全日でも妊娠する!避妊を欠かさずセックスを楽しもう

 

安全日というのは、排卵期を終えたことで卵子が排出され受精しづらくなる期間を指します。

しかし、生理周期は排卵日がズレれば「安全日だと思っていた日が実は危険日だった」という事態にもなりかねません。

女性の体はとても繊細なので「絶対に妊娠しない日」というものは存在しません

安全日だからといって避妊を怠るのではなく、正しい避妊方法を取り入れて安全なセックスライフを送りましょう。