妊娠や出産は、夫婦にとって一大イベントです。
大切な赤ちゃんを迎えるために、どちらもたくさんの苦労を味わうでしょう。
そんな出産を終えて一段落した後、ふと気になるのはセックスの頻度についてです。
「気付いたら二人で触れ合う時間が無くなっている気がする…」そんな風に思ったことはありませんか?
この記事では、産後に多いセックスレスについて原因や解消方法を解説します。
産後セックスレスになる夫婦は多い?
出産後、セックスが無くなる夫婦は意外に多いものです。
パートナーとの性行為が無くなって不安を感じている方は、まず一般的にどのくらいの人たちがセックスレスを経験しているのか見ていきましょう。
約3割の男女が産後セックスレスを経験
2022年に妊娠や出産、育児の情報サイト「ベビカム」で行われたアンケートによると、出産後のセックスが全く無くなったと答えた男女は全体の約3割となっています。
さらに、年に数回程度という少なめな回答を合わせると約半数以上が性行為から遠ざかっているのです。
産後レスにはさまざまな理由がありますが、愛し合っているパートナーと肌の触れ合いができなくなるのは少し寂しく感じますよね。
参考元:PR TIMES「産後のセックスレス、セックス観の変化など、282人の男女に性生活についてのアンケート」
約半数が精神的な変化を感じている
同アンケートでは、回答者に「性欲の変化があったか」という質問もしています。
この質問に対して約半数が「あった」と答え、その内容はほとんどが性欲の現象についてでした。
セックスレスが起きる要因は、やはり夫側、妻側の性に対する関心が大きく関わってくるのでしょう。
【夫側】出産後セックスレスの原因
男性が出産後セックスレスに陥る原因は、心理的な抵抗感や疲労です。
父親として家族を守り、子供と妻を大切にしたいと思っているからこそセックスレスに陥ってしまう男性は少なくありません。
ここでは夫側の原因を解説するので、セックスレス解消の参考にしてくださいね。
子供の近くでセックスは気まずい
子供の近くで性行為をするのは気まずいという心理も、男性のセックスレスを加速させます。
自分たちの大切な子供だからこそ、性的な行為はある程度の年齢まで見せたくないものですよね。
たとえ眠っていたとしても、何らかのきっかけでセックスを見られてしまったらどうしようという思いが、日常から性行為そのものを遠ざけてしまうのです。
家族としてしか見れない
子供が生まれたことがきっかけで、妻に対して「家族」という認識が強まる男性は少なくありません。
「女性として愛したい」という気持ちよりも「守るべき家族」「子どもたちの母親」というイメージが強くなるのでしょう。
その結果、異性としての性的欲求を感じなくなり産後レスに発展してしまうのです。
妻への接し方が分からない
妻に対してどう接したらいいか分からない、というのも男性が産後レスになる理由です。
産後の女性は、妊娠・出産による疲労や育児のストレスでイライラしている場合があります。
そんな様子を間近で見ていると、気軽にスキンシップを図ってもいいのか分からなくなってしまうのです。
また、一度誘ったときに冷たい断り方をされて、次に誘う勇気が湧かなくなるというケースもあります。
育児疲れで性欲が湧かない
育児に積極的な姿勢を見せる男性は、育児疲れになりがちです。
男性の性欲は疲労と密接な関係があるため、あまりにも疲れていると「セックスしたい」という気持ちになれません。
また、お互いに疲れているとイライラしやすくちょっとしたことで喧嘩になることも。
出産後は、産後レスだけでなく夫婦仲が悪化することにも注意しなければなりません。
【妻側】出産後セックスレスの原因
妻側の出産後セックスレスの原因は、精神的なものだけでなく肉体的な悩みもあります。
女性だからこその美意識問題や、ホルモンバランスの乱れが性行為への拒絶感を生み出すのです。
女性の心理をチェックして、セックスレス解消のきっかけを見つけましょう。
子供が気になって集中できない
産後レスを経験した人の中には「子供の様子が気になってセックスに集中できない」という意見を挙げる女性もいます。
生まれたばかりの赤ちゃんはとても繊細で、常に見守っていないといけません。
そのため、たとえパートナーと触れ合いたい気持ちになっても性行為に没頭できないのです。
心が疎かになると気分も萎えてしまいますよね。
こういった状況も、産後レスを引き起こす要因の一つとなっています。
性欲やセックスへの関心が湧かない
産後の女性には「性欲が無くなった」「セックスへの関心が低下した」という人も多く存在します。
原因の一つが、出産や育児の疲れが大きく、性的なことにエネルギーを使えないことです。
疲労を蓄積した肉体は性的欲求よりも休息を欲しているのでしょう。
また、妊娠後に女性ホルモンの分泌量が変化するのも原因です。
女性ホルモン量が変化すると母性が強まり、精神が子育てモードに突入します。
これらの要因が複雑に絡み合うことで性欲が無くなる時期が訪れるのです。
帝王切開や会陰切開の傷が気になる
出産には、お腹を切って行う帝王切開や、赤ちゃんが出やすくするために会陰部を切開する処置などが行われます。
傷はおおよそ1ヶ月程度で治るといわれていますが、痛みが続いている感じがしたり刺激すると傷が開かないか心配になったりする人もいるでしょう。
そんな傷に対する不安が、セックスを拒否する心理を生み出すのです。
見た目の変化を見られたくない
出産後の体型変化が気になってパートナーに裸を見せられないというのも産後レスの大きな理由です。
出産を経験した女性は、体重増加や肉割れ、ボディラインの変化、バストの崩れなどさまざまな体型変化を感じています。
それらはお腹の赤ちゃんを守り抜いた勲章ですが、大好きなパートナーに見られたら幻滅されるかもと不安な気持ちも抱いてしまうのです。
そして、身体を見られたくないという気持ちがセックスの拒否につながるのでしょう。
産後のセックスレスを解消する方法
産後のセックスレスは、夫婦どちらにもストレスを与える問題です。
放置している夫婦関係にも亀裂が生じる恐れがあるため、できるだけ前向きに解決の方法を探しましょう。
そこでここでは、産後レスを解消する対処法を紹介します。
挿入をセックスの目的にしない
性行為のイメージは、やはり挿入や射精、オーガズムですよね。
そのため、多くの男女は挿入までいかなければセックスではないと思いがちです。
しかし、パートナーとの愛を確かめるためには、必ずしも挿入が必要というわけではありません。
たとえば、お互いが疲れていて最後までできなさそうだったら、寄り添って肌や性感帯に触れるだけでもそれは立派なセックスなのです。
挿入にこだわらず、まずは出産前のようにベッドの中でお互いを愛する時間を設けてみましょう。
二人きりの時間を作る
子供が生まれると、お世話に追われて二人きりで過ごす時間が激減します。
根本的なコミュニケーションが不足していると、なかなかセックスの雰囲気にならないのでまずは二人きりの時間を作りましょう。
お互いの実家に赤ちゃんを預かってもらう、保育所を利用するなどの方法もあります。
どうしても家でお世話していたいと思ったら、赤ちゃんが寝たあとに温かいお茶を飲みながら話す時間、などを作ってみましょう。
まずは素直な気持ちを伝え合い、リラックスすることがセックスレス改善の第一歩です。
なるべく夫婦で一緒に寝る
赤ちゃんのお世話をしていると「夜中に起こしてしまいそうだから」と夫婦別室を選ぶ人もいます。
もちろん、お互いの仕事や生活リズムのことを考えればそれが良い場合もありますよね。
しかし、寝室が別れてしまうとなかなか性行為のきっかけが生まれず、セックスレスになる確率が高まってしまいます。
仕事のスケジュールや日常の過ごし方と相談して、週に何度かは一緒の部屋で寝る日を作ってください。
寄り添って眠るだけでも、相手に対する愛情や性欲が蘇ってくるはずです。
お互いに自分磨きをする
産後の体型や疲労によるやつれが気になってセックスに誘いづらいときは、自分磨きに力を入れてみましょう。
ダイエットやメイク、筋トレなどで自分に自信を持てば相手に対して積極的にアプローチする気持ちが蘇るでしょう。
二人で一緒に軽い運動をするなどもコミュニケーションの一環としておすすめです。
断るときは理由を伝える
どうしてもセックスをしたくない気分のときに誘われたら、無理やり付き合うのではなく断るのも大切です。
しかし、このときただ「やりたくない」と拒絶すると相手のトラウマになりお誘い自体が無くなってしまう可能性があります。
断るときは「疲れているから」「身体を見られたくないから」「赤ちゃんが気になるから」など、しっかり理由を伝えましょう。
そして、あくまで自分もセックスに対して前向きな気持ちであることも添えれば、次の機会にお互い自然な気持ちでお誘いし合えるでしょう。
【まとめ】産後セックスレスに焦りは禁物!お互いに素直な気持ちを伝えよう
産後セックスレスは、夫婦それぞれが異なる悩みを抱えているからこそ生まれる問題です。
セックスレスを解消して元のように愛し合いたいと思っていても、焦って行動を起こすと逆効果になってしまいます。
まずはお互いに素直な気持ちで話したり、触れ合ったりする時間を設けてください。
リラックスした環境で愛情を伝え合えば自然にレス解消していけるでしょう。